獣医師の渡邉佳和子です。
以下の記事を覚えている方はいらっしゃいますでしょうか?

藻類を原因とした牛の乳房炎
プロトセカ?プロトテカ?
このときA・Bの2分房でプロトセカが検出され、イソジン注入+早めの乾乳となった牛が
つい先日分娩しました。
分娩前から「乳房炎の状況がはっきりしないので、泌乳開始と同時にプロトセカを撒き散らすことにならないように、すぐに乳汁検査をさせてください!」とお願いしてあり、
その結果が出ました。
念の為A~D全ての乳汁を検査しています。

ご覧の通り、A・Bの2乳房でしっかりプロトセカが検出されてしまいました。
この表面が乾いた感じのコロニーを目にした時点でガーン、やっぱりね、という気持ちに…
グラム染色します。
しっかりプロトセカです。

1000倍拡大で酵母と比較してみると、大きさがよくわかります。


今回の経過から、
・イソジン注入はプロトセカ乳房炎に対して効果が低いこと
・一度プロトセカに感染してしまうと、数ヶ月の乾乳を経ても乳房内にプロトセカは残り続けること
・感染してしまったら、その個体を治し切ることよりも、それ以上拡げないことを重視した方がよいこと が考えられました。
この牛の今後については、農家さんとご相談中ですが、
まずは母子共に無事に分娩を迎えられたことに一安心です。
プロトセカによる乳房炎は、伝染力が強いのにも関わらず全身症状には乏しく、見た感じは元気なことが多いことからもなかなか悩ましい病原体です。
仕方がないと諦めてしまうのではなく、より有効な治療方法を探る努力は続けていきたいと思います!
今回もお読みくださりありがとうございました。

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