はじめに
牛が生きていくために、臓器たちは一日も休まず働き続けています。
その中でも常に動いているのが「肺」🫁です。
牛は鼻から空気を吸い込み、その空気に含まれる酸素を体内へ取り入れています。そして、体の中でつくられた二酸化炭素を、息とともに外へ排出しています。
私たちが普段何気なく見ている牛の呼吸ですが、肺の中では、気管や気管支、肺胞、血管、呼吸筋など、たくさんの構造が連携して働いています。
今回は、牛の肺の場所や形、呼吸の仕組みを学んでいきましょう。
肺はどこにある?
肺は、牛の胸の中にある「胸腔」という空間に収まっています。胸腔は、背中側にある胸椎、左右に並ぶ肋骨、胸の下側にある胸骨、胸腔と腹腔を隔てる横隔膜によって囲まれています。肋骨でつくられた“かご”のような空間の中に、左右の肺と心臓が入っているイメージです。

⇧肋骨は臓器たちのゆりかご
胸部編はこちら

肺の前方には気管がつながり、肺の後方には横隔膜があります。
横隔膜のさらに後ろ側は腹腔で、肝臓や胃などの消化器が収まっています。

肺そのものには、空気を自分の力で吸い込むための筋肉はありません。呼吸するときには、横隔膜や肋骨の間にある筋肉が動くことで胸腔が広がり、その変化に引っ張られるように肺が膨らみます。つまり肺は、風船のように単独で膨らんでいるのではなく、胸郭や横隔膜の動きによって受動的に膨らんでいるのです。
左右の肺の間にある「縦隔」
左右の肺の間には、「縦隔」という仕切りがあります。縦隔には、心臓、気管、食道、大きな血管、神経、リンパ節など、生命維持に欠かせない重要な構造が集まっています。

心臓は肺の中央付近に位置し、左右の肺に挟まれるように収まっています。

肺と心臓は別々の臓器ですが、働きは密接につながっています。肺で酸素を受け取った血液は心臓へ戻り、そこから全身へ送り出されます。逆に、全身から戻ってきた二酸化炭素を多く含む血液は、心臓から肺へ送られます。肺と心臓は、「呼吸」と「血液循環」を担当する大切なパートナーなのです。心臓については次回以降詳しくご紹介していきます!
空気はどこを通って肺へ届く?
牛が鼻から吸い込んだ空気は、次のような順番で肺の奥へ進みます。
鼻腔→喉頭→喉頭→気管→気管支→細気管支→肺胞
これまでの「頭部編」で登場した鼻・咽頭・喉頭は、すべて肺につながる空気の通り道です。

咽頭・喉頭はこちら

鼻腔では、吸い込んだ空気を温め、湿らせ、異物を取り除きます。喉頭を通過した空気は、筒状の「気管」へ入ります。気管は胸腔内に入った後、左右の気管支に分かれます。

気管支は肺の中で木の枝のように何度も分岐し、次第に細い細気管支となって、最終的には小さな肺胞へ到達します。この構造は、一本の幹からたくさんの枝が広がる“逆さまの木”に例えられます。

酸素と二酸化炭素を交換する「肺胞」
肺の中で最も重要な仕事をしている場所が「肺胞」です。肺胞は、非常に小さな袋状の構造です。その周囲には、細い毛細血管が網目のように張り巡らされています。

吸い込んだ空気が肺胞まで届くと、【空気中の酸素が肺胞から血液中へ移動する】、【血液中の二酸化炭素が肺胞へ移動する】という交換が行われます。これを「ガス交換」といいます。
酸素を受け取った血液は心臓へ戻り、心臓から全身へ送り出されます。全身の細胞は、その酸素を使ってエネルギーをつくります。一方、細胞の活動によって生じた二酸化炭素は血液によって肺へ運ばれ、吐く息とともに体外へ排出されます。肺胞の壁は、ガスが通過しやすいように非常に薄くできています。
しかし、肺炎によって肺胞の中に炎症性の液体や膿、細胞などがたまると、空気と血液の間で酸素を受け渡しにくくなります。その結果、牛は呼吸数を増やし、より多くの酸素を取り込もうとするのです。

⇧舌を出してゼエゼエする牛
おわりに
今回は肺の形や場所、呼吸の仕組みについてご紹介しました。次回はさらに詳しく肺の構造について学んでいきたいと思います!お楽しみに!!

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