こんにちは!獣医師の渡邉佳和子です。
今回は、以前3本の記事にわたってお届けした臍帯炎を発症した子牛について、その後の姿を写真に収めてきましたのでご紹介します。
以前の記事はこちら
前編
中編
後編
本日は離乳に向けて呼吸器病ワクチン(TSV-3)を4頭の子牛に接種してきたのですが、そのうちの1頭が上記の記事でご紹介した子牛でした。
臍帯や血液性状がその後どんな状態になっているのか確認してみよう!ということで、皆さまにも共有したいと思います。
まずは身体の大きさから比較してみます。
5月2日時点ではこれぐらいでしたが、

間仕切りの高さを頭1つ分近く超えるほどの大きさになりました。
他にワクチンを接種した本日離乳予定子牛と比較してもかなり大きいです。


とっても元気なお顔です。
そして太く腫れていた臍帯がどうなったかというと,
4月19日(2診目)にはこんな感じでしたが


何事もなかったかのようにスッキリとしぼんでいました。先端も綺麗に閉じています。


角膜炎も再発や悪化はしていませんでした。


そして何より私たちを悩ませた貧血ですが、改めて血液検査をしてみた結果がこちらです。

約1ヶ月前にはギリギリ許容範囲だった赤血球系や、原因がわからないままだった血小板増多傾向はいずれも正常な数値にまで回復しました。
なぜこのような異常値を取っていたのか、そしてこの1ヶ月でここまで回復したのか、わからない点は多々ありますが、順調な回復と成長に一安心です。
他の牛と同じように離乳を迎えることができたことに嬉しい気持ちでいっぱいです。
以上、簡単ではありますが、臍帯炎を完治させることができた貴重な症例の後日談をご紹介しました。
ご協力いただいた皆様に心より感謝申し上げます。
今回もお読みくださりありがとうございました!
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